八ヶ岳南麓だより 1

残雪の南アルプスの山々と満開の山桜
残雪の南アルプスの山々と満開の山桜

清々しい朝                  2017428

  

真っ青な空と、まだ雪が残る南アルプスの山々、そして満開の山桜。

 この美しい絶景を見ながら、朝の出勤です。北杜市の七里岩、日野原台地の我が家の周りの風景です。

 

 今、家の森には、春を告げる小さな可愛らしい花たちが、たくさん顔を見せてくれています。チゴユリはユリという名がついていますが、とても小さく、うつむき加減の花は、本当に美しく、清楚という言葉がぴったりの花です。

  

フデリンドウも、とても小さいけれど、淡い紫色の花が、陽ざしに照らされると、それはもう、宝石にもかなわないほど、輝いて見えます。

 

今のこの時期は、森の一番輝く季節です。風に揺れる淡い新緑の樹々たちは、あまりに美しくキラキラと光っています。

 

そんな森に音楽を添えてくれるのが、キビタキやクロツグミの高らかな歌声です。

 さあ、待ちに待った季節の到来です。

 

白く清楚なチゴユリ
白く清楚なチゴユリ
たくさんの花をつけたアセビ
たくさんの花をつけたアセビ

柔らかな陽ざし  2017年3月13日

 

  

庭に出ると、ふわっとした暖かさに包まれました。もう本当の春がやって来たのです。

 


森の中から、ヤマガラのツツピーツツピーというさえずりが聞こえてきます。


少し開けた藪の方からは、ホーホケキョとウグイスの声も響いてきます。

 

あちらこちらからたくさんの鳥たちの、春の歌が聞こえます。

 


芽吹きを待つ森の樹木たちも、ふわっと芽をふくらませています。

 

 

庭のアセビは、可愛らしい白い花をたくさん咲かせました。キランソウも、紫の小さな花を開き、笑顔を見せてくれています。

 


ずっと待っていた暖かい春の到来です。芽吹きの春に、心から嬉しく、歓びの気持ちでいっぱいです。

 

紫の花びらが可愛いキランソウ
紫の花びらが可愛いキランソウ
庭のセンダンの実
庭のセンダンの実

真っ青な空と冬木立  2017年1月6日

また新しい年がやって来ました。ここ八ヶ岳南麓に住んで9回目の新年です。

元旦の朝は毎年、初日の出を見て、心新たに一年をスタートさせています。今年の日の出も、富士山を横に、茅ヶ岳から美しく輝いて昇って来ました。

八ヶ岳七里岩の森は、冷たい八ヶ岳おろしに、吹きさらされていますが、コナラやヤマザクラの樹木たちは、負けずに凛とした姿を見せてくれています。

これから最も寒くなる季節です。森の動植物たちも、寒さをこらえ、1日も早い春を待ち望んでいることでしょう。

すべての葉を落とした森に、庭のセンダンの黄色で鮮やかな実が、光っていました。

真冬の季節は、南アルプスの白い雪の峰が望める美しい日々です。

青空と冬木立の庭
青空と冬木立の庭
ムラサキシキブの実
ムラサキシキブの実

雪をかぶった甲斐駒と紅葉                                      2016年11月8

 

日に日に気温が下がり、庭の紅葉はどんどん進み、艶やかな美しい季節を迎えています。

 

ここ八ヶ岳南麓は、標高が高いので、この頃、朝は寒い日が続いています。

 

その代わり、紅葉の美しさは半端ではありません。我が家の庭も半分くらい色が付きましたが、11月の末には、森すべてが真っ赤に燃えることでしょう。その葉っぱたちが、強い北風で舞い落ちるときは、まさに葉っぱ吹雪のごとく圧巻です。

 

森の中を歩けば、今は最後の木の実たちが色を付けて、輝いています。紫色がきれいなムラサキシキブや、真っ赤なガマズミや、コバルトブルーのアオツヅラフジなど、森の宝石を見ることができます。

 

こんな美しい季節も、あと少し。もう確実に冬の足音が聞こえてきます。今年も素晴らしい季節と自然を本当にありがとうと、心から思います。

 

秋の庭と森
秋の庭と森
陽射しをうけるスルボ
陽射しをうけるスルボ

秋の気配       2016年9月13

 

 

暑かった夏も、いよいよ峠を越えたようです。

 

 

セミの大合唱が響いていた森も、今は、秋の虫の音が、心地よく聞こえてきます。

 

 

林縁は、ハギやシラヤマギクの清楚な花に彩られ、アオハダの葉っぱは、早くも黄色く色付き始めています。

 

 

庭をたくさんのトンボが飛び回り、夏の最後を、思いきり過ごしているようです。

 

 

森の奥に咲いていた、赤がひときわ美しいミズヒキの群落が、秋の風を静かに呼んでいました。

 

 

森で静かに咲くミズヒキ
森で静かに咲くミズヒキ
清々しいキバナヤマオダマキ
清々しいキバナヤマオダマキ

八ヶ岳 夏の森   2016年7月3

 

 

 

梅雨の晴れ間の一日、八ヶ岳南麓にある三味線滝付近を、散策しました。

 

 

 

森の小道沿いに、薄いクリーム色のキバナヤマオダマキを見つけました。清楚という言葉がぴったりの花です。森の奥からは、キビタキの美しい歌声が響いてきます。

 

 

 

この時期の森は、すべてがきらきらと輝き、時折吹く風は、緑そのものの清らかさを、運んできてくれます。

 

 

 

シラカバやミズナラの美しい樹木の、その妖精たちに導かれ、はっと息を飲む神秘の森に、誘われました。

 

 

 

夏の美しい森に出会えて、感謝の思いでいっぱいになった一日でした。

 

八ヶ岳神秘の森
八ヶ岳神秘の森
初夏の庭
初夏の庭

清々しい日々   2016年5月25日

 

 

 あっという間に、季節は移っていきます。

 

 

今朝初めて、ホトトギスの鳴き声を聞きました。森からは、ギィーギィーと鳴く、ハルゼミの大合唱も聞こえてきます。キビタキの透き通る声も、響いています。

 

 

林縁を彩るのは、ノイバラやガマズミの白い花たちです。エゴノキは、もう白い花びらの雨を降らせています。

 

 

森の中には、薄紫のコアジサイが、静かに美しく咲いて、清らかさを与えてくれています。

 

 

八ヶ岳南麓七里岩の森は、今、一年で一番美しい季節を迎えています。動植物たちの息吹が、そこここで感じられ、心が全部洗われる毎日です。

 

静かに咲くコアジサイ
静かに咲くコアジサイ
光をいっぱい受けるフキノトウ
光をいっぱい受けるフキノトウ

 

春が来た        2016年3月8日              

 

  

今朝、突然「春」がやってきました。

 

  

朝の野原には、何羽ものヒバリが空に舞い上がり、縄張り争いなのでしょうか、高らかに歌声を響かせています。森のほうからは、ウグイスやガビチョウが、民家の屋根からは、カワラヒワやセグロセキレイの、それぞれに美しい旋律が聞こえてきます。まさに春の調べです。

 

  

野道では、ショカツサイが紫色の可愛らしい花をつけ、林縁にちょこんと顔をのぞかせたフキノトウは、白く小さい小花を見せてくれます。ジンチョウゲやウメの香りがふわっと漂う朝のひと時です。

 

  

今年の冬はとても暖かくあっという間に過ぎました。早春の訪れも早く、心はずむ春本番が、もうすぐ近くに来ています。またたくさんの生き物や花たちに出会える季節に、心から感謝し、大自然と共に生き、生かされている日々に感謝する毎日です。

 

紫色が美しいショカツサイ
紫色が美しいショカツサイ
森の中でいち早く花を開いたウグイスカグラ
森の中でいち早く花を開いたウグイスカグラ

 

迎春          201616

     

新しい年が始まりました。

 

この冬はいつになく暖冬です。いつもの年なら3月にやっと開き始めるウグイスカグラが、もう蕾をたくさんつけ、ひとつめが花を開きました。近くの梅もしかりです。

 

このまま暖かいままで、本当の春になってしまうのか、それとも例年同様、これから極寒の日々がやってくるのか、つぼみたちが気になってしまいます。

 

 年が明けてから、コジュケイやガビチョウたちも、3月の頃のように、大きな声でさえずりを始めています。自然の動植物たちにとっては、もうすっかり「春」なのでしょうね。

 

大木となった庭のセンダンの黄色い実に、ヒヨドリたちが群がり、ついばんでいる姿は、いつもの冬の楽しい風景です。

 

冬の森は、夏の緑と違って、すがすがしく凛とした美しさがあります。特に、すっかり葉を落とした樹形から見える、雪をかぶった南アルプスの山並みは格別です。毎朝、この美しさに圧倒されています。

 

黄色が美しいセンダンの実
黄色が美しいセンダンの実
色づく秋庭
色づく秋庭

2015年11月10日

 

秋がどんどん深まっていきます。

ここ八ヶ岳南麓の七里岩の森も、今が紅葉の真っ盛りです。

我が家の周りの森は、アオハダの黄色、ウリハダカエデの赤、コナラの朱色などで、まさに錦絵のごとく、鮮やかに彩られています。

 

また今年もジョウビタキがやってきました。このジョウビタキは、なぜか鏡やガラスが好きで、車のミラー周辺で毎年騒いでいます。とても愛らしい姿です。

 

森の葉っぱがだんたん落ちて、その間をカラ類の混群が飛び回っていきます。なかでもエナガは、小さくて白くて本当にかわいい鳥です。写真を撮ろうとしても動きが速すぎてなかなか撮れません。

 

この美しい紅葉の森の葉っぱも、もう少し経つと、強い北風によって全部舞い散るでしょう。今年も一年きれいな森を見せてくれて、本当にありがとう。

 

 

花詩記

 

秋雨降る

静かな細い雨が降り

色づいた森の樹々の葉を

ハラハラ落とす

森はうっすら白いもやに覆われ

遠くの山並みは霞のかなたにある

ひと雨ごとに秋は深まり

次の季節へと移っていく


ムラサキシキブの実
ムラサキシキブの実
マンジュシャゲ
マンジュシャゲ

2015924

 

近くの清泰寺へ行ったら、満開の曼珠沙華と出会えました。夕陽の輝きを浴び、なお一層朱色を際立たせて、艶やかさを見せてくれました。「秋」そのものの風景です。

 

我が家の周りの林縁は、今、ヤマハギとマルバハギの競演です。色は園芸種に比べると地味ですが、そのひっそりとした花が、静かな秋を感じさせてくれます。

 

ここのところ、朝晩は急に冷えるようになってきました。今年の秋は雨が多く、早く涼しさがやってきたように感じます。今朝、通勤途中でキンモキクセイの甘い香りが漂っていました。黄色のかわいい花がたくさん咲いて、明るい笑顔をふりまいていました。

 

「キチキチキチキチー」とモズの高鳴きが、草原に思いきり響いています。

 

 

花詩記

 

初秋の風色

真っ青な空に 真っ白な雲が流れる

季節は またひとつ移り始めた

かすかに聞こえるセミと 入れ替わるように

虫の音とモズの高鳴きが響く

林縁で静かに咲くタムラソウに ヒョウモンが止まる

野原では ススキが背高く伸び

秋の訪れを告げている


マルバハギ
マルバハギ
ヨウシュヤマゴボウ
ヨウシュヤマゴボウ

2015年8月3日

 

猛暑の夏が続いています。こんなに毎日暑くて日照り続きでも、夜には雷雨があり、適度に雨を降らしてくれる、日本の夏に感謝です。

 

さて、甲府は盆地の為、毎度々の猛暑地ベスト3には入っていて、花ひらくの事務所があるのは甲府市内の中心なので、本当に毎日暑いです。

 

八ヶ岳南麓の長坂の自宅は、甲府よりいつも4度ほど低いのですが、それでも30度を超えれば「夏!!」という感じです。ただ、朝はさすがに涼しく、7時頃の出勤の時は(日野春駅まで運動の為、30分徒歩)、避暑に来ているウグイスの声や、高原にいるエゾゼミの声を聞きながら、森の小道を歩いています。

 

このごろの我が家の庭には、イノシシが夜に盛んに活動しているようで、朝になると庭が荒らされていますが、タヌキの親子がのんびり庭を横切る姿に、心癒される日々です。

 

夏はあっという間に過ぎていきます。暑さを楽しもうと思います。

 

 

花詩記

 

光輝く真夏の生き物たち

 

真夏の強い陽射しが 照りつける

森の中から エゾゼミの低い声が 聞こえる

美しい羽根を広げ 空を舞うオオムラサキ

野原では 白く清いオカトラノオや

ピンク色が愛らしいガガイモの花が 開き始めた

全ての生き物たちが 光輝く夏の一瞬


リュウノヒゲ
リュウノヒゲ
カワジシャ
カワジシャ

2015626

 

梅雨の季節です。今日も朝からしとしと雨が降っています。

庭や森の植物たちは、たくさんの恵みの雨をもらって、嬉しいことでしょう。

 

昨日まで、快晴だったので、おとといから夏の代名詞「ひぐらし」が、鳴き始めました。

夕暮れに森のあちこちから、「カナカナカナ~」と響き渡る声は、まさに夏のしるしです。

 

草原では、セッカがやヒバリが、高く空に舞い上がり、伸びた草影に隠れていたキツネが早足で駆け抜けていきました。

 

野原には、背の高くなったヒメジョオンの群落が広がり、その花は、梅雨の季節を超えて、夏へと向かっています。大切な雨の季節が終われば、輝ける真夏がやってきます。

 

 

花詩記

 

()(じら)

 

緑色の風の中 尾白川の流れは速い

エゾハルゼミの合唱が

とめどなく響き続ける

しめりけを帯びた 森の樹木たちは

夏の光を待っている

少しだけ射してきた光に

コアジサイの薄紫色が輝く

梅雨のただ中の尾白の森


ツバメひな
ツバメひな
ニセアカシア
ニセアカシア

2015518

 

今、森は本当に美しい季節を迎えています。我が家を囲む森は、コナラやヤマザクラ、リョウブやカエデなどです。すっかり青葉に変わりましたが、光を通して輝く緑色は、清々しさと大きなパワーを与えてくれます。もうハルゼミも鳴きはじめました。

 

鳥たちは巣作りに大忙しの様子です。森の奥からはキビタキの美しい声が、野道を歩けばカッコウやホトトギスのさえずりが聞こえてきます。もう夏が近いのを感じます。

 

林縁のエゴノキの白い花が咲きはじめました。とてもいい香りの真っ白な小さい花を、たくさんぶら下げて咲く花です。満開を迎えたニセアカシアもまた、甘い香りのする、白い藤のような花を見せてくれています。

 

樹木も花も鳥たちも、みんなこの初夏の美しい季節を謳歌しています。もちろん私もです。すべてのものが輝いている素敵な5月が、今年もまた訪れてくれました。

 

 

 

花詩記

青葉緑の風

あっという間に 青葉色になった森

清々しい風が 庭と森を吹き抜けていく

森の中は ウグイスやキビタキのさえずりにあふれ

喜びに満ちている

野道には ハルジオンの群落が淡いピンクに輝き

エゴノキの白色が 初夏を告げている

すべての動植物の 輝ける季節がやってきた


ハルジオン
ハルジオン
フデリンドウ
フデリンドウ

2015年4月15日

 

4月に入ってから、ずっと雨が降っているような気がします。ここ八ヶ岳南麓のソメイヨシノは、まだ咲き残っていますが、この連日の花散らしの雨で、今日もはらはらと舞い落ちています。

 

でも確実に「春」はやってきています。七里岩の森はもう、うっすらと萌木色に染まり、一番早いリョウブの若葉は、まるで森に黄緑色の花をさかせたような美しさです。足元には、フデリンドウがあちこちで笑顔をふりまき、イカリソウははっとするほどの紫色の花を見せてくれます。

 

朝の森はもう高原の朝といった感じで、多くの鳥たちの歌声であふれています。鳥たちは巣作りの準備で大忙しのようです。口にたくさんの巣材をくわえて、飛んでいきます。

 

一番美しい若葉のこの季節は、あっという間に過ぎていきます。また今年も、森に緑をあふれさせてくれることに、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

 

 

 

花詩記

 

萌黄色の森

 

静かにしとしと降る 春の雨に

ヤマザクラの白い花びらが 舞い落ちる

日に日に色を増していく 萌黄色の森

風に揺れる 樹木の足元で

ジュウニヒトエの淡い花が 咲き始めた

植物たちに降る 恵みの雨は

さらに 次の季節へと いざなうかのようだ


イカリソウ
イカリソウ
サンシュユ
サンシュユ

2015年3月9日

 

今朝の気温は、プラス2度。ずっとマイナスだったのが、ここにきてやっと暖かくなってきました。この冬はどちらかといえば、暖冬だったような気がします。

 

森の朝が、とても賑やかになってきました。さえずりの練習中のウグイス、美しい声が響くホオジロ,鳴きながら飛んで行くアカゲラ、ひときわ大声のガビチョウなどが、朝のすがすがしさの中で、早春のハーモニーを奏でています。

 

樹木たちも負けてはいません。アカシデやネジキは、赤茶色の新芽を大きくふくらませて、いつ開いてもいいような状態です。ウグイスカグラは、森の中で一番先に、ピンクの小さな花を開かせました。

 

これからの春本番までの変化は、わくわくどきどきの嬉しい毎日です。

 

 

 

花詩記

 

春の訪れ

あたたかな陽射しが ふりそそぎ

やわらかな春の風が 吹き始めた

ホオジロがこずえで 

高らかに春の到来を告げ

林縁のウグイスカグラの小さな花が 一輪開いた

樹木の新芽も 大きくふくらんできた

そこここに 春の訪れが あふれている


ツバキ
ツバキ
ホトケノザとオオイヌノフグリ
ホトケノザとオオイヌノフグリ

2015年2月12日

 

早春の光が降りそそいでいます。

今朝の最低気温は氷点下8度でしたが、昼になり、本当に春のような明るい陽射しが差し込んでいます。

 

朝の道で、ホオジロの初さえずりを聞きました。よく聞いてみると、他にもたくさんの鳥たちの声が聞こえていました。こんなに寒いのに、鳥たちはもう春の気配を感じているのですね。とても嬉しい気分です。

 

まだ本当の春は遠いけれど、南面の暖かい野原では、ホトケノザやオオイヌノフグリが、光をあびて微笑んでいます。固かったスイセンのつぼみも、やっと開き始めてきました。

動植物たちも私たちも、みんな待ち望む「春」、あとほんのちょっとです。

 

 

 

花詩記

 

光の春

澄んだ青空の下 高い梢で

ホオジロが 春の喜びを歌っている

あたたかい春の陽射しが ほほを包む

樹木の枝先は 淡く色を染めはじめ

春本番を 今か今かと待っている

オオイヌノフグリが 瑠璃色の輝きを見せた


開き始めたスイセン
開き始めたスイセン
金色に輝く冬のアシハラ
金色に輝く冬のアシハラ

2015年1月13日

 

真冬の季節がやってまいりました。ここ八ヶ岳南麓の七里岩では、毎朝氷点下を記録しています。強い北西の風「八ヶ岳おろし」が、吹き抜けます。

 

この季節の八ヶ岳の森は、凛として本当に美しい姿を見せてくれます。コナラを中心とした森ですが、葉を落とした樹形と、その後ろに見える雪を被った南アルプスの山々が、まるで、スイスの景色のように見えます。

 

寒さは厳しくても、動物たちはいつもと変わらず、元気です。庭を横切って行くキツネやタヌキ。草原では毎日シカの群れと出会います。今、アオゲラがピョーピョーと鳴きながら飛んで行きました。

 

風が止んだ陽だまりでは、春のさきがけを感じさせます。厳しくも清らかな冬の季節、春への期待がふくらみます。

 

 

花詩記

 

厳冬の森

 

先日降った雪が 庭に残る

雪の上に残された 動物の足跡が

この寒さの中でも 懸命に生きていることを

教えてくれる

森は凍てつき 冷たい北風にさらされ

必死に 耐えている

そんな中でも 鳥たちは 相変わらず

森の中を 元気いっぱい 飛び回っている


雪の残る庭
雪の残る庭
ヒヨドリジョウゴ
ヒヨドリジョウゴ

2014年12月4日

 

冷たい雨が降っています。先週までは、真っ赤に染まっていた森の樹々たちも、だんだんと葉を落とし、冬への支度を始めています。

 

茂みの奥からは、ウグイスの「チャッ、チャッ」という地鳴きが聞こえるようになってきました。カラ類の混群が木から木へと飛び移っていきます。

 

林縁でよく見かけるのは、ツルウメモドキやヒヨドリジョウゴの真っ赤な赤い実です。ヒヨドリがよくついばんでいます。アオツヅラフジの真っ青な実も宝石のようで美しく輝いています。

 

もう甲斐駒ケ岳には、雪がたくさん積り、我が家の庭の先に、さらにきれいに見えるようになってきました。朝は氷点下の気温になり、霜柱もできています。さあこれから、凛とした美しい冬の季節の始まりです。

 

 

 

花詩記

 

      始まりの冬

 

コナラの最後の紅葉が 赤茶色に残る中

この冬 初めての 大霜が降りた

森は冷たく静まり 庭はざくざくの霜柱

甲斐駒ケ岳は 青空の中 雪の白さを映し出す

森の中から アカゲラやカケスの声が響き

ひらひらと フユシャクガが舞う

動植物たちもいよいよ 冬への準備が始まった


ガガイモ
ガガイモ
秋の庭
秋の庭

201411月4日

 

我が家の庭もだんだん紅葉が進み、美しく彩られてきました。特にアオハダの黄色は日に日に鮮やかさを増し、ヤマザクラの赤色と、まだ紅葉していないコナラの緑色と相まって美しさを際立たせています。

 

林縁の小枝に止まり、「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴くのは、オレンジ色がかわいいジョウビタキです。今年もまた、シベリアから我が家の庭へと渡ってきてくれました。

 

きのう甲斐駒ケ岳も、初冠雪を迎えました。にぎやかだった森の営みも終わり、静かな冬の季節へと移っていきます。

 

 

花詩記

秋の色濃く

 

ひんやりとした 朝の空気

朝の光をうけて シラカバの黄色く色づいた葉が輝き

足元には 白い小さなセンブリの花が咲く

森の樹木を せわしなく飛び交っていく

エナガとシジュウカラの群れが 元気だ

ヤマザクラの枝に 朱色のジョウビタキがやってきた

秋は だんだんと 深まっていく


アオハダ黄葉
アオハダ黄葉
ススキ秋景
ススキ秋景

 2014年10月8日

 

 台風も過ぎ、さわやかな秋晴れの日が続いています。八ヶ岳南麓の朝はもう肌寒く、いつの間にか、風は北風に変わっています。こんなに素敵な秋の日が訪れて来たのに、もう、すぐそこまで来ている「冬」まで感じてしまいます。

 

我が家の庭は少しずつ色づき始めています。森の中で「ジェイジェイ」と鳴くカケスが、美しい瑠璃色の羽を見せて、庭を横切って飛んでいきした。

 

さわやかな秋の風を受けてススキの群落が大きく揺れ、ノコンギクやヤクシソウなどの静かで清楚な花も小さく揺れています。青空は果て無く澄んでいます。

 

この美しくゆるやかな秋の日に、心から感謝し、一日を大事に生きたいと思っています。

  

 

花詩記

       深まる秋景

 

どこまでもすきとおる 真っ青な空の中を

トビが ゆっくりと舞っている

秋の光をうけ 赤く鮮やかなガマズミやアオハダの実が

一層 輝きを増し

日陰の林縁では ノコンギクやリンドウが

ひっそりと静かに咲いている

森も少しずつ 色づき始めた

 

アキノキリンソウ
アキノキリンソウ
ツリガネニンジン
ツリガネニンジン

 2014年9月11日

  

9月に入ってから、なかなか天気が安定せず、今朝も雨が降っていました。さわやかな秋晴れが、とても待ち遠しいこの頃です。

 

それでも季節は、はっきりと移っています。野道を、背を高く伸ばしたススキがおおい、高い樹木の梢から、「キチキチキチー」と秋の定番のモズの高鳴きが、聞こえてきます。

 

ここ長坂の朝の気温は20度を切り、だんだんと肌寒くなっています。

 

聞こえるのは虫の音だけとなりました。アオマツムシやカンタンの美しい声をききながら、少し早い秋を楽しませていただこうと思います。

 

  

花詩記

 

初秋の風

 

 にぎやかだったセミの声も小さくなり

 涼やかな虫の音が響く

 あれほど暑かった夏の日々も

 森を吹き抜ける 初秋の風に変わった

 林縁は ススキの黄金色に染まり

 その足元は シラヤマギクに彩られている 


シラヤマギク
シラヤマギク
コバギボウシ
コバギボウシ

2014年8月20日

   

八ヶ岳南麓の、夏の峠もようやく越えました。この夏は、7月の末頃が、一番暑かったように思います。その後の台風が過ぎてからは、なんとなくまた梅雨が戻ってきたかのように、雨が降り、そして今は、残暑がぶり返しています。

 

森の道をあるけば、いつのまにか、聞こえてくるのは涼やかな虫の音です。白く小さなユウガギクやヌスビトハギなど、秋を思わせる清楚な花が、咲き始めています。

 

森の中にある我が家の白壁に、なぜか今の時期、ナナフシがたくさん現れます。きっと白い建物がお気に入りなのでしょう。ただちょっと、異様です。

 

季節は、あっという間にまた移ります。晩夏から初秋へと移る、自然の美しい贈り物が、またひとつ運ばれてきます。

 

 

 

花詩記

 

      夏の終わり

 

ツクツクボウシの大きな鳴き声が 森に響く

林縁のマルバハギは 小さい紫色の花をつけ

コバギボウシの花は ひときわ静かに輝いている

青々とした草たちは 競うように 背を伸ばし

種をつけ始めている

暑い夏も ようやく一息ついた

少しだけ涼しい風が 樹木の上に吹いている

 

フサフジウツギにクロアゲハ(メス)
フサフジウツギにクロアゲハ(メス)
ヒヨドリバナ
ヒヨドリバナ

2014年7月30日

 

真夏がやってきました。動植物たちにとっては、一年で一番輝く活力ある季節です。

 

朝4時半頃、森の中からヒグラシの大合唱が響いてきます。今朝は、その中にトラツグミの「ピーーピーー」と高く細い声が重なっていました。八ヶ岳南麓日野春の夏の朝は20度以下の涼しさです。

 

林縁には、白いヒヨドリバナや淡いピンクのヌスビトハギの花が、静かにひっそりと咲いています。昼の暑い時には少しだけ涼しさを与えてくれます。

 

開けた野原で、オニヤンマが素早く飛んでいく姿が見えました。短い夏を思いっきり生きているのだなと思います。

 

夏は暑いけれど、すべての生き物たちが強く生きていることが美しく、感動します。緑あふれる森の樹木たちや草たちも皆、本当に輝いています。うれしい季節です。私たちも、日々懸命に生きていきたいと、また思います。

 

  

花詩記

 

     真夏の陽射し

 

エゾゼミが 森の奥で 低い声で鳴き

ゴマダラチョウやオニヤンマが 庭を横切って行く

強い陽射しに負けず ユリやギボウシが

懸命に美しく 花を咲かせている

真っ青な空に 真っ白な入道雲が

モクモクと 湧き上がってきた

夕方にも ひと雨降り

植物たちを 涼しく 潤すことだろう

 

ゴマダラチョウ
ゴマダラチョウ
オカトラノオ
オカトラノオ

2014年7月4日

 

八ヶ岳の今年の梅雨は、大雨こそありませんが、毎日少しずつ降り続き、森はいつも湿った状態です。今朝は、久しぶりに陽射しがさしこみ、濡れた樹木の葉っぱたちを、さらに輝かせていました。

 

野道の足元に、真っ白にひときわ目を引くオカトラノオが咲き、林縁ではクマノミズキやリョウブの花も、夏の白さを見せています。

 

 夕方にはもうヒグラシの「カナカナカナー」という美しい声が響いてきます。庭を、尾が長いサンコウチョウが、横切って行きました。青くてとても美しい鳥です。鹿の群れも、草を食べに我が家の庭に来ています。本格的な夏の到来が待ち遠しい今の季節です。

 

  

花詩記

 

     リョウブの白花と入道雲

湿度の高い森と庭

カワラヒワの群れが キンケイギクの種をついばむ

遠くから モクモクと広がってきた入道雲

もうすぐ 夕立になるだろう

アジサイとギボウシの 淡い青色が

ひととき 蒸し暑さを忘れさせてくれる

森の中で ガビチョウの大きな声が響き渡る

 

アカツメクサ
アカツメクサ
ジャケツイバラ
ジャケツイバラ

2014525

 

森の朝は、鳥の声であふれています。「オーアーオー」と森中に響く声で鳴くアオバト、オレンジのお腹がかわいいヤマガラ、ガビチョウはうるさい程の大声です。空を飛びながら「キョカキャク」と鳴くホトトギスなど・・・自然からの素敵な音楽のプレゼントです。

 

森はすっかり緑一色となり、もう夏の気配がします。「ギィーャ、ギィーャ」と大合唱をするハルゼミは、山地にしかいませんが、この時期この声が聞こえると初夏の訪れを感じます。

 

森の開けたところに、ジャケツイバラの黄色い大きな花が咲き、目をひきます。ヤマボウシの花もだんだん白くなって、森の中に白く星の形を映し出しています。

 

八ヶ岳南麓は今、本当に美しい季節です。もう少したつと梅雨の季節となるでしょう。この清々しく、心洗われるこの時期、大切にありがたく過ごしていきたいと思います。

 

 

 

花詩記

 

      青葉光る

 

新緑の芽吹きの時期は 驚くほど早い

あっという間に 若葉から青葉へと変わった

少し前まで 遠くが透けていた森も

今は一面 深い緑に覆われている

リスは 巣作りに大忙し

コナラの樹木を のぼりおり

フランス菊が 庭を清楚な白で彩っている

 

 

初夏庭
初夏庭
カスミザクラ
カスミザクラ

2014年4月19日

 

気持ちの良い春風が吹いています。空は透きとおった水色、八ヶ岳の森にもあっという間に新緑の季節がやって来ました。

 

いち早く緑の葉を出しているのがエゴノキです。森の中はうっすらと萌黄色に染まり、ところどころに、一番最後に咲く山桜の「カスミザクラ」の淡い白花がちりばめられています。

 

足元にはタチツボスミレが小さく輝き、あちこちにシュンランのひっそりとした美しい花が咲いています。

 

森はこれから一番華やぐ季節を迎え、メジロやホオジロやヤマガラなどの鳥たちが高らかにさえずりを響かせています。大自然にとっても、私たちにとっても嬉しい春本番です。

 

 

 

花詩記

 

    春らんまん

 

森の新緑は あっという間に進む

キラキラ輝くリョウブやエゴノキの 淡い緑

まさに霞がかかったような

淡いピンクのカスミザクラ

南からわたってきた ツバメが大空を舞う

鳥たちの朗らかなさえずりを

春のそよかぜが運んできた

春爛漫の輝く一日

 

 

シュンラン
シュンラン
早咲きの梅
早咲きの梅

2014年3月12日

 

3月も中旬となり、いよいよ春の到来です。ここ八ヶ岳南麓は、2月の残雪がまだあちらこちらに残っていて、まさに「雪解けの早春」といった景色になっています。

 

北杜市の梅はまだまだ先ですが、甲斐市の敷島梅園では早咲きの梅が満開となり、甘い香りと薄紅色の花びらが、まるで春の妖精のようにふわっと舞っていました。

足元では、ホトケノザとオオイヌノフグリが、陽射しを浴びて笑顔を見せていました。

 

我が家の庭は、まだ半分は雪におおわれていますが、ようやく花壇の土も見えてきました。スイセンの芽はどうにか重い雪に耐えたようですが、ほかの樹木類はことごとく枝折れを余儀なくされてしまいました。丁寧に選定して、また大きく育つのを楽しみにしようと思います。

 

今年の山梨の冬は一言でいえば「雪」。一日で1m以上積もるなんて考えたこともありません。でも自然の驚異とはこのことなのでしょう。私たち人間への警告なのかもしれませんね。今以上に謙虚に畏敬の念を持たなければと、つくづく思わされました。

 

 

 

花詩記

 

    やわらかな春風

 

暖かな南風が ほほをなでる

森の樹木たちは 大きく芽をふくらませ

今にも 芽吹きそうな勢いだ

林縁を エナガやシジュウカラの混群が

春の訪れを喜ぶかのように 飛び交い

オレンジ色のタテハチョウが 庭を舞う

待ちに待った 春の到来だ

オオイヌノフグリとホトケノザ
オオイヌノフグリとホトケノザ
屋根の大雪
屋根の大雪

2014年2月24日

 

2月15日に、山梨県観測史上初の大雪が降り、ここ八ヶ岳南麓も1m以上の大雪となり、昼の気温が低いため雪解けが進まず、まだ60cmぐらい残っています。この一週間は雪かきと交通のマヒで本当に大変でした。

 

せっかく芽を出してきた春の草花たちも、深い雪に覆われてしまい、きっとこの春は花が咲くのが遅れるのではないでしょうか。樹木の枝もたくさん折れてしまいました。桜の開花も少し遅くなるような気がします。

 

今、森や野原は深い雪におおわれ、動物たちはじっと我慢のときなのかもしれません。いつもの年の浅い雪の時は、ウサギやシカなどの足跡がはっきり残るのですが、さすがに1mもの雪では、動物たちも動くことができないのでしょうか、足跡もありません。

 

この雪はおそらく春になるまで残りそうです。まさに雪国の根雪といった感じですが、もうそこまで来ている新しい春に向かって、明るい陽射しとともに、力強く歩んで行きましょう。

 

 

 

花詩記

 

      雪の森

 

深い雪におおわれた 森の樹木たち

根回りだけが 丸くとけだしている

つぼみをふくらませようとしていた

ウグイスカグラの枝は

雪の重みで折れてしまった

ツグミやホオジロは 雪の上をチョコチョコと歩き

真っ白な雪の上にかわいい姿を見せてくれる

すべての生き物が雪解けを待っている

雪庭
雪庭
スイセンの芽
スイセンの芽

2014年2月5日

 

立春を迎え、暦の上ではもう春です。ただ、まだまだ、朝の森は冷たい北風に吹かれています。森の樹木たちも、あともう少し耐えなければなりません。

 

けれども陽射しは、すっかり変わってきました。陽の光は日増しに、明るく強くなってキラキラと輝いています。まさに「光の春」の到来です。

 

東京などではとっくに花が咲いているスイセンも、ここ八ヶ岳ではやっと芽が出てきたところです。これもうれしい小さな春のほほえみです。

 

庭に、ハクセキレイのつがいが、仲良く、餌をついばみにきています。黒と白の清楚な日本的な野鳥です。5月頃になると、うちの庭にヒナをつれて舞い降りてきます。

 

凍てついた季節も、ようやく次の季節へと、バトンを移す時が来ました。何もかもが動き出す、待ち望んでいた「春」。心はもう、期待でふくらむばかりです。

 

 

 

花詩記

 

    光の春

 

ずっと続いていた 北風が止んだ

ようやく長い冬のトンネルを出る

いつの間にか 光が強く暖かくなり

樹木の冬芽も 大きくなってきた

森の中では アカゲラやコゲラが

せわしなく ドラミングを続けている

みんなが待ち望む春が もう見えてきた

サザンカ
サザンカ
日の出前 富士山
日の出前 富士山

2014年1月20日

 

八ヶ岳南麓はまだまだ凍てついた季節です。今は、朝の通勤時にちょうど日の出を迎えます。

日の出前の赤く染まった東の空は、富士山と相まって美しく煌めいています。

 

今朝、「チョットコイ、チョットコイ」と大声で鳴くコジュケイのさえずりを聞きました。

あちこちから聞こえ、鳥たちはいち早く、春の気配を感じとっているようです。

 

森の林縁に、昨年6月頃に美しい花を見せてくれたアヤメの実が、北風に揺れ、茶色のかわいらしい姿を残しています。たくさん集めて花束にして、家の中に飾りました。

 

森の冬の姿は本当に美しいものです。寒い北風は吹きますが、それに耐え、春が来るのをひたすら待ち続ける樹々たちには、計り知れない強さを感じます。

 

私たちもこの時期、寒さに負けず、冬を楽しみ、今日できることを、心をこめて一生懸命やっていきましょう。あっという間に、暖かな春になってしまいます。

 

 

 

 

花詩記

 

    八ヶ岳の冬風

 

すきとおった空気の 庭の奥から

アオゲラのドラミングの音が響いてくる

ツグミの群れや カラ類の混群がゆき交う

コナラの林は 鳥たちの楽園だ

北風に ものすごい速さで流される 白い雲

まだまだ 冬の真っただ中

でも 日の光だけは 確実に春に近づいている

アヤメの実
アヤメの実
冬庭
冬庭

2014年1月6日

 

新しい年が始まりました。ここのところ寒い日が続いています。いよいよ八ヶ岳南麓も一番寒い厳冬の季節となりました。

 

今朝の最低気温はマイナス8度まで下がりました。5センチぐらいの霜柱が土を盛り上げ、またこれも、季節の素晴らしい贈り物のような気がします。

 

そんな中、青空に黄色が映えるセンダンの実に、ヒヨドリが入れ替わり立ち代わり、実をついばみに来ています。

 

シジュウカラやエナガの混群も開けた森の林床を巡りながら、移っていきます。コナラの木立は、すっかり葉を落とし、冷たい北風にも凛とした姿を見せてくれます。

 

静かな静かな冬の森です。

 

 

 

花詩記

 

真冬の凍てつく森

 

真っ青な空に 早く流れていく白い雲

冷たい北風が 吹きすさぶ

ゴオーという音をたてる北風に 冬木立は大きく揺れる

茶色の森に ウスタビガのきれいな緑色の繭がひとつ

枯木の枝で 揺れている

春は まだまだ遠く

厳冬期の 冷たく凍てついた日々が続く

センダンの実
センダンの実
ナチュラルリース
ナチュラルリース

2013年12月9日

 

日一日と寒くなってきました。今朝の長坂の最低気温はマイナス5度でした。霜で真っ白になった庭に、朝日があたり、きらきらと輝いています。初冬の美しい風景です。

 

ほとんど葉っぱを落としたコナラの森は、真っ青な空が透けて、凛とした木立を見せてくれます。ときおり吹く風で、枯れ葉がハラハラと舞い落ちる姿もまた美しいものです。

 

真っ赤なガマズミやアオハダの実を食べに、ヒヨドリの群れが枝から枝へと飛んでいきます。もうツグミやベニマシコも渡ってきました。

 

庭の木の実を集め、ナチュラルリースを作って玄関ドアに飾りました。ピンクのマユミ、紫のムラサキシキブ、赤のガマズミ、ヒヨドリジョウゴ、紺のアオツヅラフジなどです。

 

今年ももう少しで終わります。4月にNPOを立ち上げ、この「八ヶ岳南麓だより」を始めて、あっという間に12月になってしまいました。この美しく素晴らしい大自然とともに生きていけることに感謝を忘れず、引き続き邁進していこうと思っています。

 

 

 

花詩記

 

冬木立

 

森の樹木たちは すっかり葉を落とし

樹形の美しさを きわだたせている

リスとアオゲラが 高くそびえるコナラの幹を

せわしなく 行ったり来たりしている

森は遠くの山々を透かせて

今年一番の美しさを見せてくれる

いよいよ 冬本番がやってくる

 

コナラ冬木立
コナラ冬木立
落ち葉たち
落ち葉たち

2013年11月22日

 

秋晴れの爽やかな日が続いています。朝の気温はもう毎日氷点下3度くらいですが、昼になると穏やかな、まさに小春日和の日々です。

 

庭から見える南アルプスの山々は、もうすっかり雪化粧をして、特に赤く染まったコナラの森から望む朝焼けの甲斐駒ケ岳は、息をのむほどの美しさです。

こんな景色を毎日見られるのも、ここ八ヶ岳に住む人の特権なのかもしれません。

 

森の小道は、赤や黄色の落ち葉のじゅうたんとなり、きれいな秋の芸術作品を描いています。はらはらと舞い落ちる枯葉たちを見ると、また一年が終わるのだなと思います。

 

そんな中、シジュウカラやエナガなどの混群が、葉っぱが落ちた樹々の枝から枝へと飛び移り、にぎやかな姿を見せてくれています。

 

もうじき静かな冬の森になります。

 

 

花詩記

 

       晩秋

 

真っ赤に色づいた コナラの葉っぱが

冷たい風に吹かれて ハラハラと舞う

森は落ち葉のにおいで いっぱいだ

遠くが透けてきた森の奥に リスが顔を見せる

シジュウカラやコゲラの仲間たちが

群れをなして 樹木から樹木へと渡っていく

冬はもう 目の前にきた

 

秋庭
秋庭
リンドウ
リンドウ

2013年11月6日

 

秋が深まっています。我が家の庭は、もう紅葉が真っ盛りになってきました。

七里岩の森は、コナラを除いてほとんどの樹木が色付いています。

圧倒的に黄色がうつくしいアオハダと、赤のグラデーションが優しいヤマザクラ、ウリハダカエデのオレンジ色も輝いています。

 

そんなヤマザクラの高い梢で、ジョウビタキが「ひっひっひっひっ」と鳴いています。

森に秋を告げる鳥です。この頃増えてきた外来種のガビチョウの大きなさえずりも、森の中いっぱいに響きわたっています。

 

森の足元には、センブリやコウヤボウキの小さな花が静かにひっそりと咲いています。

 

日一日と寒くなってきました。もう少しでコナラも赤く染まり、八ヶ岳南麓のなだらかな森すべてが、美しい錦絵となるでしょう。

花詩記

 

    小春日和

 

どこまでもすきとおる 真っ青な空

サヤサヤと吹く 秋の風に

黄色いシラカバの葉っぱが はらりと落ちる

色づき始めた 高いコナラに樹の枝で

赤いジョウビタキが ヒッヒッと鳴く

遠くキツツキのドラミングが 森に響き渡る

もうじき森は 真っ赤に染まる

センブリ
センブリ
アオツヅラフジの実
アオツヅラフジの実

2013年10月11日

 

「秋」がやってきました。

朝の風は爽やかで、南アルプスや八ヶ岳の山々が、青空の中にはっきりと美しく映し出されています。

 

高いこずえからは、モズの高鳴きが「キチキチキチキチー」と響いてきます。

草原は一面のススキ色に染まり、その中の黄色いセイタカアワダチソウの群落が陽の光をあびて、輝いています。

 

森の樹々は、少しづつ色づき始め、ガマズミやアオハダの赤い実が、際立って美しくみえます。変わった形のコブシの赤い実も、森の緑の中ではひときわ目をひきます。

 

季節はいつのまにかうつり、もう少しで森も真っ赤に染まるでしょう。

 

 

 

花詩記

 

     秋さやか

 

すきとおった青空の中

北からの秋の風が 爽やかに吹き抜ける

高いこずえから モズの高鳴きが響く

季節はまた 移ろう

森の入り口のガマズミは 真っ赤な実をつけ

草原のキクイモは 黄色く光る

ノコンギク
ノコンギク
アキノキリンソウ
アキノキリンソウ

 2013年9月18日

 

透き通るほどの真っ青な空と、さわやかな風。

待ち望んでいた「秋」がやってきました。

 

この頃の日野春台地の朝は、涼しいを通り越して

肌寒い朝を迎えています。

季節はあっという間に変わり、

こうして一年が過ぎていくのでしょう。

 

野原には一面、ススキの穂が揺れ、森の小道には

赤く色付いたガマズミやアオハダの実が光っています。

ノコンギクやアキノキリンソウも

やさしく秋風に揺れています。

 

エゴノキの実を食べに、ヤマガラが行ったり来たり。

ひとつくわえては、森の奥へ飛んで行って、

また取りに戻ってきます。

 

こんな穏やかな日に出会えて

本当にありがとうという幸せな思いでいっぱいになります。

 

 

 

花詩記

 

     さやけし秋

 

この秋一番の ぬけるような青空

心地良い風が 草原を吹き抜ける

セミの声でにぎやかだった森は 一転

ヒヨドリの鳴き声と 虫の音が響いてる

山桜の葉は 早くも色付き始め

ガマズミやアオハダの実が ひときわ赤く輝く

ヤマハギの小さな花が 林縁を静かに飾っている

ガマズミの実
ガマズミの実
シラヤマギク
シラヤマギク

 2013年9月4日

 

9月になりました。

秋の便りをお届けしたいと思いましたが、

まだまだ、夏の空気があふれ、

さわやかな秋の風を感じるのは

もう少し先のようです。

 

朝の野道には、金色に光るススキの穂が

風に揺れ、ヌスビトハギやシロバナシナガワハギやツリガネニンジンなどの小さくかわいい花が

微笑んでいます。

 

今年初めて声を聞いたクマゼミもすっかり消え

夕方に、樹木の梢から響いてくる

アオマツムシのリーンリーンという声に

秋の到来を感じずにはいられません。

 

暑い暑いと感じたこの夏も過ぎてしまえば

輝く夏のいい思い出です。1日1日を感謝の思いで

過ごし、これからの季節と同じように、

爽やかな気持ちで毎日進んでいきましょう。

 

 

花詩記
      嵐の雨

 

台風が近づき 強い雨が降ったり止んだり

紫色の花をつけたヤマハギの枝は

雨の重さで折れんばかりだ

森の樹木たちは ここぞとばかりに

恵みの雨を受け入れている

林縁のタカサゴユリが ひときわ白く輝き

季節の移ろいを静かに告げている

 

タカサゴユリ
タカサゴユリ
マツヨイグサ
マツヨイグサ

 2013年8月15日


今年は本当に暑い夏です。

甲府では40度を超えました。長坂でも連日の35度越えは、珍しいほどの暑い夏です。

 

そんな八ヶ岳南麓の森でも、さすがに朝は涼しく

朝露に濡れた草の小道には、マツヨイグサの

淡い黄色が映え、緑濃く茂ったクズの葉っぱの下に、紫色の美しい花が開いています。

 

 

昼間はエゾゼミやツクツクボウシで騒がしい森も

夕方になると、スイッチョやカンタンなどの

虫の音が響き、少しだけ秋の足音が聞こえてきます。

森の道を、背の高いユウスゲが薄い黄色に染めています。

 

 

 

花詩記


     夏色の森

 

暑さが続く中 森は深い緑色に染まる

ツクツクボウシの声が ひときわ大きく響きわたる

森の小道を 涼やかな風が吹き抜ける

夏の盛りも もう少しだ

ヤマハギとキンミズヒキが 小さな花をつけ

また少しづつ 季節が変わっていく

クズ
クズ
ユウガギク
ユウガギク

 2013年7月26日

 

今年は梅雨明けが本当に早かった。

いつもの年より夏が一段と長くなりそうです。

 

今朝、森を歩いたら「キョッキョッ、キョキャキョク」と何回も鳴きながら、ホトトギスが空を横切っていきました。

 

足元には、もうユウガギクやヌスビトハギが

静かに咲き始めています。

 

森の中は緑であふれ、きらきら輝く葉っぱと、エゾゼミのギーギーという大合唱のシャワーが、夏の朝を彩っていました。

 

すべての動植物たちの、もっとも輝けるこの季節

いつまでも続いていてほしい。

 

 

花詩記


      夏空と夏雲

 

強い日差しとともに やってきた夏雲

森からは エゾゼミやミンミンゼミの大合唱が響く

オニヤンマが すばやく庭を横切り

林縁では オオムラサキが静かに舞う

生き物たちを 思いきり元気にさせる夏の到来

甲斐駒は 真っ白な夏雲の中だ

 


オオムラサキ
オオムラサキ
ホタルブクロ
ホタルブクロ

 2013年7月2日

 

まだまだ梅雨の季節です。

ときおり雲の切れ間からのぞく空は

もう、暑い夏の到来を感じさせます。

 

八ヶ岳南麓の森は、いよいよ緑濃く、

今は、ミズキの白い花がひときわ輝いています。

 

野原では、黄色いオオマツヨイグサが大きな花を

咲かせ、ウツボグサやヒルガオも色を添えています。

 

夕方になると、森のあちこちから「カナカナカナー」と

ヒグラシが鳴きはじめました。

本格的な夏もすぐそこまできています。

 

 

花詩記

 

      灰色の雲

 

さっきまで 梅雨の晴れ間を見せていた空

八ヶ岳の山々に もくもくと入道雲が現れた

午後の森に 強い風が吹きはじめ

低く灰色の雲が 押し寄せてくる

そんな中 アジサイやキキョウの紫色が

美しさを きわだたせている

ヒルガオ
ヒルガオ
ムラサキシキブ
ムラサキシキブ

 2013年6月19日

 

ずっと梅雨空が続いています。

わたしたち人間にとっては嫌な雨も

動植物にとっては慈雨です。

森や野原の植物たちは湿った空気と滴る水滴に

喜び、もっともっと伸びようと懸命に生きています。

 

森の奥からタヌキが現れ、庭を横切っていきました。

シカやイノシシにいつも庭を荒らされてしまいますが、

彼らの方が先にいた住人なのですから、仕方ありません。

 

私たちも自然界のただの1住人ですものね。

みんなで仲良く生きていきましょう。

 

 

花詩記

 

     梅雨の雲

 

太陽を隠しながら

梅雨空をおおう雲が 早く流れる

カワラヒワの一群が いっせいに飛び立った

湿った空気の中 シンジュの白い花が咲き

黒く美しいアゲハチョウが 舞っている

野道では ノハラアザミやホタルブクロの

紫の花が 少しだけ涼しさを添えてくれている

 

ニガナ
ニガナ
ヤマボウシ
ヤマボウシ

 2013年6月5日

 

梅雨の晴れ間が続く中、森はよりいっそう緑にあふれています。

朝、森は陽の光を浴び、キラキラと輝き、聞こえるのは一日の始まりを

祝うかのような野鳥たちのさえずりです。

 

八ヶ岳南麓はまだそんなには暑くなく、高原は一番美しく素敵な季節です。

 

今森を歩くと、ネジキやウコギの白い小さな樹木の花がひっそりと咲き、うす紫色のコアジサイや、凛としたアヤメがすがすがしさを漂わせています。

 

オーアーオーとアオバトが変わった声で鳴き、森のはずれのアシハラではオオヨシキリが大きな声で夏を告げています。

 

 

花詩記

 

     緑色の風

 

梅雨の晴れ間の青空の下

すがすがしい緑の風が 森を駆け抜ける

エゴノキやガマズミの 白い花がこぼれ落ち

あたりに 甘い香りが漂っている

森の中から サンコウチョウとアオバトの

美しいさえすりが聞こえてくる

少しづつ夏の光が近づいてくる

 

エゴノキ
エゴノキ
ヤマツツジ
ヤマツツジ

2013年5月23日

 

八ヶ岳南麓もすっかり初夏の彩りにかわりました。

あっという間に、森は新緑から青葉になりました。

季節の移り変わりがこんなにも早いのは、この時期だけではないでしょうか。

 

森の奥からは、もう初夏のせみ「ハルゼミ」の声が響いています。

 

野鳥たちも負けてはいません。

特に大きな声でさえずるのは、外来種のガビチョウです。

その声とかぶるようにさえずるのは、黄色がかわいいキビタキです。

ただ森の緑にまぎれてそのかわいい姿は、あまり見ることはできません。

 

この時期はカッコウやホトトギス、サンショウクイの声も聞こえてきます。

 

今、林床ではヤマツツジの朱色が美しく彩っています。

もうすぐエゴノキの白い花がシャンデリアになるでしょう。

短い初夏の風景です。

シラン
シラン

 

花詩記


     初夏の風の中


青空の中 高いコナラの樹々の林を

初夏のすがすがしい風が吹き抜ける

若葉が サラサラと音をたてている

森の奥からは ハルゼミの合唱が聞こえる

野道には ウマノアシガタの黄色い花が光り

赤いヤマツツジが彩りをそえている

渡ってきたキビタキが高らかに歌声を響かせている

庭のフランスギク
庭のフランスギク

2013年5月13日

 

皆様 はじめまして。

本日より、八ヶ岳南麓だよりを書いていきたいと思います。

 

私は、「NPO法人花ひらく」の理事長の妻、金子京子です。

私たち夫婦は、20年ほど前より自然にかかわるボランティア活動などを通して、こんなに美しく素晴らしい自然を、人々の幸福につながる糧として、伝えていけたらと、ずっと思ってきました。

 

今回、多くの人たちの助けにより、「NPO法人花ひらく」を立ち上げることができました。

5年前に、埼玉から山梨県の北杜市長坂町に移住したのも、きっと今日につながる縁だったと感じています。

 

NPOを立ち上げたからには、ひとりでも多くのひとの幸福のために、夫婦ともどもたくさんの人の手をお借りしながら、頑張っていこうと思っています。

 

今年は労働局の就職支援事業「やまなし就勝塾 年4回」を中心にやっていく予定です。

 

今我が家の庭は、新緑の若葉の森がまぶしいほどキラキラと輝いています。

めざまし時計代わりの野鳥のさえずりとともに起き、緑の風に癒される日々です。

春の庭
春の庭